Wednesday, April 20, 2005

Elephant

何気なしに借り、始めはポカーンと見ていた。「なんか間延びしているなあ、でもまあ、アメリカの高校生活を垣間見ると思えばいいか」、などとのん気に観ていたら、すごい展開になっていった。高校を舞台に銃乱射が始まったのだ。

映画は、何人かの高校生が別々に考え、行動しているものを、編みこむようにしながら進められる。まるで、ナレーションのないドキュメンタリーのようだ。俳優たち(といっても、ほとんどは現役の高校生)のしゃべる言葉は、押し付けられた台詞ではなく、ほとんどがアドリブだそうだ。それがまた、自然さをかもし出す。

観客を飽きさせないように展開させる、などという魂胆は感じさせない。各々の観客がそれぞれの解釈を持つであろうし、どこに興味を持つかも我々次第だ。

一転にして地獄。明日は我が身なんてことのないよう、祈るばかりだ。

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Saturday, April 16, 2005

Things you can tell just by looking at her (彼女を見ればわかること)

いくつかの小話が、別々のようで、また、つながっているような。。。

独身女の心の流れるさま。寂しさやわびしさ、悲しみにさいなまれながらも、孤軍奮闘することは、「強い女」であるためには、避けて通れない道なのだろう。みりゃあわかるけど、やっぱり切ないものだよねえ、独り者って。

個人的には3話目が、ほのぼのさがあっていいなあ、と思えた。別の日にみれば、別のがいいと思えるのかもしれないけど。。。

彼女を見ればわかること
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Friday, April 15, 2005

The Crime of Padre Amaro (El Crimen del Padre Amaro)/アマロ神父の罪

官僚主義的なカトリックの体質や、政治権力と裏でつながるマフィアらの暗躍、性欲と宗教、など、批判精神をもって描いた映画だ。宗教、権力、性、暴力といったものが混在する世の中と照らし合わせて、観衆、特にラテンアメリカの人々は共感を持って観るのではないだろうか。

俳優がすばらしい。自然の演技というのか、それとも白熱の演技というのか、それぞれの役柄を演じきっている。もちろん、俳優一人一人が人間くさい味を出している。役よりも、一人一人の俳優が魅力的なのかもしれない。

しかし、なんというか、結末があっけない。少女が犠牲になるだけで終わってしまった。アマロ神父はもう少し罰を受けるべきなのではないか。アマロ神父は当然、一生心の傷を負うとともに、真実に対して怯えて生きていかねばならない(それが一番重い罰かもしれない)。しかし、宗教という媒介(色眼鏡)なしで見たとき、何か塩抜きの食べ物のような物足りなさがあった。

また、最後の方で老人が、ひょいと再登場するのは、ミラクルの予感を感じさせはしたが、あまり意味がないのではないかと思った。

アマロ神父の罪
アマロ神父の罪
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