Atanarjuat The First Runner / 氷海の伝説
このDVDは、自分的にはショッキングでした。第一に、こんなにイヌイットの人たちをじっくり見たことがなかったから。これはハリウッド映画とは一線を画す。監督も俳優も皆、イヌイット(撮影陣のうち一人だけが非イヌイットだそうだ・・・)。他文化のひとが日本映画をみたら、同じようにショックを受けるのかな。いやあ、しかし映画の本数が違うだろう。イヌイット社会を映したドキュメンタリー映画は他にもあるのだろうけど、ナレーションは普通、英語とかフランス語ばかりでしょう。この映画の場合、物語にしてドキュメンタリーのような、それでもってイヌイットによる言葉で終始している。だから、会話の間(ま)とか、テンポとか、内容とか、そのままイヌイット。ハリウッド映画に慣れた人は、始めはつかみ所に迷うかもしれない。
さて、白銀の世界。イヌイットやエスキモーは、白色関係の語彙が豊富だ(とどこかで読んだ)。白くまぶしい外の世界。それと対照的に、家(IGLOO)のなかは薄暗い。厳しい自然と向き合う日常。映画のセッティングはある程度整っていたのだろうけど、やっぱり撮影は大変だったに違いない。
憑物にかかった青年。西洋医学ではなくて、シャーマニズムが悪霊を退治する。許婚(いいなずけ)による結婚。映画では、妻は義理の兄と話をしてもいけない、という表現があった。そういった共同体のなかの掟を破れば、追放だ。また、親族関係や呼び名は、私たちのそれとは随分違うようだ。
女を巡る決闘がユニークだ。親族全員が集まる。そこで、男二人が順番に殴りあう。殴り方は、ボクシングの殴り方とはちがう。空手で言えば、「鉄槌」の形。こめかみ辺りを目がけて振りかざすから、下手すると相手は死ぬのではないか。
あともう一つ印象に残ったシーンは、旅の前に、ウサギの足を持って石の周りを飛び跳ねるダンス。映画では、そのおまじないの効力が、はっきりと出た。
文化的表現とは違うのだろうけど、気になったのは、映画の中で出てくるペニス。アップではなかったが、ぷらぷらと明らかに見える。検閲はないのかな?西洋人や日本人じゃないから合法、なんていうのはおかしな話だし・・・。
イヌイットの文化を研究している人なら、一つの象徴的な出来事を文脈から捉えて説明できるのかもしれないし、また、これは本当はこうだ、といった薀蓄も入れるだろう。私のような素人には、そんなことは分からない。それでも、異文化のは息吹が充分伝わってきたことは確かだ。
メディアファクトリー (2004/02/06)
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